2007年03月15日

Dr.さとうから 患者さんと医師の関係について

当クリニックでは、癌が見つかる患者さんが月に3〜4人いらっしゃいます。癌の種類や進行の度合い、患者さんの年齢によって治療法は異なります。当クリニックでは、患者さんに癌の告知をするとき、病気や体の状態はもちろんのこと、患者さんの理解力や家庭環境を把握した上で、丁寧にわかりやすく病状説明をしているつもりです。

私は開業するまで、大学病院〜民間病院(佐久総合病院)で勤務しましたが、病状説明に関して患者さんからの評判は悪くなかろうと自負していました。しかし、今月10日に放送されたNHK教育の番組「ともに生きる 〜医師と患者のコミュニケーション〜」をみて、考えさせられました。つまり、こちらは専門用語をなるだけ控えてわかりやすく説明したつもりでも、患者さんはこちらが思うほど理解していない可能性があることに気づきました。これは患者さんの理解力が低いからではありません。考えてもみてください。癌だと告げられて動揺しているときに、どんなに丁寧な説明であろうと理解できる余裕などあろうはずがありません。

これをふまえて、当クリニックでは癌患者さんに対する病状説明の方法を変えることにしました。NHKの言葉を借りれば、メディエーター(仲介人)制度の導入です。
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posted by クランベリー at 22:53| Comment(0) | TrackBack(0) | Dr.さとうから | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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