gremz
9月14日(土)第35回信州排泄ケア研究会が佐久市で行われました。今回は、我がクリニックが世話人ということで5年ぶりに佐久市での開催となりました。
今回の講演は「
ドクターがいない!それでもできる!排泄ケアのあんなこと・こんなこと」 講師は、昭和伊南総合病院 皮膚・排泄ケア認定看護師の小澤 恵美先生でした。講演のテーマのように、長野県内の泌尿器科医は約62名しかいません。したがって、泌尿器科常勤医がいるのは19施設、非常勤医は7施設(開業医は除く)にすぎません。そこで、
泌尿器科医がいない施設において看護師や介護士それに関わるスタッフができることは何かについて、経験に基づいてお話をして頂きました。
人は生まれてから死ぬまで排泄に関わり、人生のうち1年分の時間を排泄に費やすそうです。そこで、自分たち介護職に出来ること・・
*排泄ケアは「失禁ケア」ではなく「コンチネンスケア」を目指すこと。漏らしたものをどうするかという「失禁ケア」と異なり、「コンチネンスケア」とはその人がその人らしく障害に困らない生活になるようにすることを意味します。それにより患者さんの満足度があがります。
*頻尿への対処法では、尿量が多くないか、膀胱が小さいのではないか。それを把握するために、排尿日誌を記載してもらいます。残尿がないかも重要です。最近は介護士でも扱えて持ち運びできる残尿測定器(ブラッダースキャン等)があります。
*腹圧性尿失禁では、骨盤底筋訓練を指導すること。
*患者個々に合わせた質の高い排泄ケアが出来ること。それには、スタッフ個々に排泄ケアへの意識の高さを持つための勉強会や、排泄ケアの理念を作る事。
*介護者が、誰でもいつでもすぐにわかるようにするため「排泄ケアマニュアル」を施設で作成します。膀胱カテーテル挿入や管理の方法、抜去時の対応。たとえば、抜去時はブッラダースキャンで必ず残尿量を確認することなどを記載。
*排便では、ブリストルスケール(便性)を使い評価法を統一することで、情報を共有しやすくケアがしやすくなります。便秘だからといって、水分を多くとっても尿になるだけので、薬剤師と相談し薬の必要性も考えます。便秘に対しては排便姿勢も大切だそうです。
ドクターがいなくても、私たちには出来ることがたくさんあることを教えて頂きました。また、使用することで、安全に排泄の介助ができ介助量の軽減が出来る用具の紹介もありました。衝撃的だったのは「乗り助」と「楽助」です。「乗り助」を使うことで、車いす移動には欠かすことが出来ない回転動作が不要になります。少しお尻を浮かし、そこに座敷を引くだけでいいのです。介助側の体への負担が少なくなり、一人でも行えるようになります。「楽助」は、正しい排便姿勢を取りやすくしてくれます。
今回は、医師がいない施設や病院向けの講演でした。講演に来てくださった方々が、それぞれの環境にあった方法で排泄ケアを工夫しコンチネンスケアを目指していくきっかけになるような、すばらしい講演だったと思います。
posted by クランベリー at 20:04|
Comment(0)
|
TrackBack(0)
|
スタッフから
|

|