2010年09月06日

スタッフより 第32回信州排泄ケア研究会

gremz ゴミ分別



9月44(土曜日)に第32回信州排泄ケア研究会が松本市で開催されました。当クリニックからは、看護師2名が参加させていただき、全体では160名ほどの参加者がいて過去最多だったそうです。
講師は、社会保険中央病院 認定看護師 積 美保子先生
演題 『排泄障害ケアの実際』について、お話していただきました。
以下、参加した看護師(当院勤続4ヶ月)からのレポートです。


排泄障害とは、便失禁と便秘に大きく分けられ、なお、便失禁や便秘は病気ではなく症状なのです。
まず、便失禁とは 便意が我慢できない(切迫性)に、または無意識のうちに便が漏れてしまうこと(漏出性)をいいます。原因としては、肛門を閉める筋肉(肛門内括約筋)の働きが低下したために起こります。これには、分娩や肛門手術によって肛門括約筋がダメージをおって弱くなる場合や、加齢により骨盤底筋の筋肉の低下によるもの、そして下剤の乱用も失禁の要因になるそうです。
治療法として、液状便で失禁してしまう方は、便を有形便にコントロールしてあげること、便秘で刺激性下剤を服用している場合は酸化マグネシウムなどに変更して、便通をコントロールします。突然の失禁に対しては、一時的に便の排泄を抑える肛門用タンポン(アナルプラグ)を使用する方法もあります。そして、骨盤底筋の筋肉低下には、骨盤底筋体操の適応があります。

そして、便秘 回数が少ない、便が硬い、いきまないと出ない、残便感があるなど多様の症状があります。原因として、大腸の便を送り出す力が弱い(弛緩性)直腸の働きに原因があると、便意を感じない、いきまないと便が出にくい(直腸性)大腸の痙攣により便がとどこおりやすいために起こる(痙攣性)があります。
治療としては、食事、生活指導、運動、緩下剤をうまく取り入れて便通のコントロールをすること。食事としては、食物繊維を取り、腸内細菌のバランスをよくするためにビフィズス菌などの摂取もすすめています。生活指導としては、便意は我慢しない、排泄時間は3分で全部出し切ろうとせず、次の便意がきた時にまとまった量の便を出すようにしてもらうこと。

最後に、排泄障害は病気ではないので、本人が苦痛、問題と思わなければどんなに、家族、介護者が問題と思っても本人にしてはおせっかいになってしまいます。個人を尊重し、安心して排泄できる環境を作る大切さ、難しさを改めて勉強させてもらいました。
posted by クランベリー at 20:58| Comment(0) | TrackBack(0) | スタッフから | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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