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ジェネリック医薬品関連の記事と併せてお読み下さい。
http://continence-clinic.seesaa.net/article/273946858.html
http://continence-clinic.seesaa.net/article/274216164.html

ジェネリックは完全に特許が切れた医薬品ではありません。
錠剤を例にしてみます。薬の成分そのものを物質本体と呼びます。その成分に添加物を加え、物質本体を安定させ胃や腸で溶けやすくします。錠剤の表面をコーティングするための剤形もあります。
物質本体には物質特許。添加物には製法特許。剤形には製造特許が存在します。特許が切れたのは物質特許だけなのです。まだ製法特許と製剤特許の特許有効期間が残っている場合も多くあります先発医薬品と薬の成分が同じだとしても、添加物やコーティングの仕方が違っていたり、製造する際に使う機械が違っているので、全く同じ薬というわけではありません。製法や製造が違うと、薬の溶ける速さが変わって。

先発医薬品メーカーのほうがオリジナルな薬に関する情報を多く持っているのは当然の事ですし、ジェネリック医薬品メーカーが医師に提供すべき医薬品の情報が極端に少ないというのも仕方が無いことです。勿論、先発医薬品と比べても遜色ない品質のジェネリック医薬品もあります。
先発医薬品と同等の有効性と安全性を確保するべく、ジェネリック医薬品メーカーは品質管理に務めているのです。
当院では泌尿器科関連の薬を幾つか院内採用しています。時には在庫を切らしてしまうことがあるので、その場合は院外処方箋で対応していますが、その時に一般名で処方すると薬剤師さんが後発医薬品を調剤する可能性が高くなります。薬剤師は患者様に対して説明義務がありますが、もしかしたらジェネリック医薬品を受け取った患者様は「さとう先生に出してもたらっている、いつもの薬じゃないわ!」ということになるかもしれません。基本的に院内採用している薬に関しては、これまで通り商品名(院長が選んだ薬が患者様の手に渡る)で処方箋を発行することにしています。
私も医療事務の仕事を離れれば患者側になり、先発医薬品か後発医薬品かを選択する必要が生じるかもしれません。患者様にはジェネリック医薬品に関して謳われている良い面(従来の薬と同じ成分なのに価格が安い)だけを見て選ぶのではなく、デメリットもあるということを御理解の上で、どちらを選ぶのかを決めて頂きたいと思いました。