2013年05月26日

スタッフから〜排尿機能検査士講習会(初回コース)に参加して

gremz


平成25年5月18日(土)にワークピア横浜にて排尿機能検査士の講習が行われました。私は初級コースに参加させていただきました。今回は当院でも実際に多く行われる膀胱機能検査について講義して下さった市野みどり先生の講義内容についてまとめたいと思います。

泌尿器科に受診する患者さんの自覚症状と下部尿路機能は必ずしも一致しないことがあります。なぜなら、下部尿路機能障害の病因・病態は多岐にわたり、複雑な病態を呈することも少なくないからです。そのため、適切な治療選択のため、正確な下部尿路機能の評価が必要となります。尿流動態検査の適応患者は「尿失禁」「膀胱出口部通過障害」「神経因性膀胱機能障害」「複雑な排尿/失禁問題を有する小児の一部」です。尿流動態検査の種類は「尿流量測定」「残尿測定」「膀胱内圧検査」「内圧尿流検査」などがあります。

【膀胱内圧測定について】
膀胱内圧測定は畜尿時の膀胱内圧と容量との関係を測定する(膀胱を充満しながら膀胱内圧を連続的に記録する)検査です。畜尿・排泄の状況を短時間で再現して評価することができるので、下部尿路機能の問題の原因を調べることができます。膀胱内圧測定に必要なもの:尿流動検査機器、注入ポンプ、圧トランスデューサー(恥骨上縁レベルにおく)、膀胱内圧測定用カテーテル、直腸内圧測定用カテーテル(少し水があるのみで膨らませない)

《パラメーターの意味》
膀胱内圧:膀胱内に圧がかかると上昇する。収縮時に上昇する。
直腸内圧:腹圧がかかると上昇する。膀胱が収縮したのか、腹圧がかかったのか判断する。
排尿筋圧:(膀胱内圧―直腸内圧)膀胱収縮圧
括約筋筋電図:神経障害の判断時に使用。ルーチンには不要。
※排尿中の状態も評価する場合は「内圧尿流検査」(PFS)を行う。同時に行うことで、下部尿路閉塞の有無や程度を知ることができます。

【症例検討】
@脊髄損傷術後の排尿困難の患者
蓄尿期:問題なし、排尿期:膀胱内圧と伴に腹圧も上昇→実は前立腺肥大による排尿困難だった。
A前立腺肥大の患者
数年来α-blocker内服していて尿の勢いがない。両側水腎症で導尿にて2000ml流出
蓄尿期:問題なし、排尿期:200cmH2Oを超える腹圧で排尿時の排尿筋収縮がない。尿検査で血糖値が検出されている→実は既往に糖尿病があり、神経因性膀胱だった。
B数年前から頻尿、尿意切迫感がある40代女性。排尿困難はない。
蓄尿期:36mlで初発尿意。60mlで排尿筋過活動・尿意切迫感あり。
排尿期:排尿筋はよく収縮している。(76 cmH2O)しかし、尿流率低下→尿道狭窄があった。
C直腸癌術後9ヶ月後の女性。尿失禁にて受診。トイレに行くたびに漏れている、体動時にも失禁している。尿意はよくわからない状態。 1回排尿量150〜300ml
蓄尿期:コンプライアンス 175/25=6.9ml/cmH2O(低い) 立位になった瞬間失禁。
排尿期:排尿時に排尿筋の収縮がない→神経因性膀胱 要導尿

今回、症例検討の講義を通じて、改めて膀胱機能検査の重要さに気づくことができました。検査士の講習を受けている方の中には「院内に機械がないので、検査見学しかできない。」という方も多くいました。当院では毎週のように検査が行われています。今回の講習内容を活かして、今後も多くの患者さんの治療に関わって行きたいと思います。



posted by クランベリー at 10:56| Comment(0) | TrackBack(0) | スタッフから | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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