2007年05月19日

大工さんの御指摘とデラクリート

QOALITY×DESIGN]の続きで、2006年5月中旬の記録です。

内部工事は大部進みました。この時期の大工さん仕事は主に直線断ちの建材での造作工事です。
クリニックの各部屋の出入り口は車椅子が通りやすいように、通常の住宅の間口よりも広めに設計して頂きました。三井ホームさんの基準外のサイズになるため、全て現場でカット、調整しての作業になり、1週間近くかかったでしょうか。(結構大変だったようです)

  白い板を組み立てると  →    引き戸の枠になります          
 ドア枠の造作 手術室の出入り口

車椅子の事も踏まえ、患者様が出入りされる箇所は全て引き戸にしました。ドアは受付や院長室など極一部です。ドアは蝶番があるので、引き戸のほうが間口の有効サイズを幅広く確保できます。(身障者用のトイレは殆ど引き戸です)

引き戸の枠の作業が終盤にさしかかった2006年5月21日。三井ホームの現場担当のSWさんから、「大工さんが本当に車椅子が通れるのか心配している」という連絡を受け、直ぐに現場で話し合いを持ちました。現状の間口でも大丈夫といえば大丈夫でした。引き戸に付ける「取っ手」によって全開放できる戸と、引いたときに数センチ残ってしまう戸があることに気がつきました。(取っ手の写真は後日改めて掲載します)有効な間口サイズが確保できないのではないかと、大工さんが指摘して下さったのです。盲点でした・・。

次の日、佐久病院に御願いをして車椅子を借りてきました。全ての入り口をチェックしました。結果、現状でも大丈夫な所、やや狭い所がやはりありました。その時の写真です。

車椅子を試す


車椅子のタイヤと戸の間で、手を挟むことのないよう安全には十分留保しなければなりません。大工さんにあの時御指摘頂かなければ、大変な事になるところでした。狭めな箇所は再工事して頂くことになりました。
余談です。この大工さんとってもお若く見えます。てっきり、20代だろうに何て腕の良い大工さんなのだろうと思っていました。後で、実際は私より3.4歳年上と解り、ご本人を目の前にして腰が抜けるほど驚いたことを覚えています。
現在車椅子のトラブルはありません。時折車椅子のかたをお見かけする度に、大工さんへの感謝の気持ちが蘇ります。

こんな工事も並行されていました。

 診察室の床 外壁の下地剤

床を貼る内装工事もボチボチ始まりました。右は外壁を仕上げる前に耐火性能に優れた下地剤を貼っています。三井ホームと書かれた防水シートの上にデラクリートというセメント系のボードを取り付けるので、白かった建物が徐々にグレーに変貌しました!
さとうクリニックさんの外壁は灰色ですね、と言われた頃です。
posted by クランベリー at 14:57| Comment(3) | TrackBack(0) | 開業までの話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめましてですがいきなりの質問で失礼します。
うちも現在建築中で工期短縮ためにデラクリートを勧められたのですが、4年以上経過した現在、クラックはいかがでしょうか?
細かいクラックがたくさん入るという説明なのですが目立ちませんか?
Posted by デラ at 2010年10月19日 02:59
工期短縮はPAWは工程的に同時に外部、内部を進めることが可能な為工期が短縮できます。またデラクリートは乾式工法に近い為養生期間の短縮も可能です。
クラックは現在設定しておりますSBフィニッシュMGクレイとも塗料の厚みが確保できており、弾性系の物を設定しておりますので、ヘアークラックが発生しにくくなっております
現在次世代省エネ2地域(佐久、茅野、伊那)はPAW、3地区(長野、上田、松本)はBSWで施工しておりますので、どちらも施工的にご安心いただけるかと思います。

2年前からBSWが長野県で施工可能になり3地域では施工しております。防水紙がPAWの方が早く貼れるなどメリットもあります。
コストはPAWの方か通気のための材料などで高くなります。防水紙が早く貼れますと合板が外部に出ている時間が短い為天候などのご心配も少なくなります。
どちらもクラックの心配が0ではない為ご説明したと思いますが、ご説明不足で申し訳ございません。宜しくお願い致します。

Posted by 三井ホーム 佐藤 at 2010年10月19日 19:57
デラさん、コメントありがとうございます。私共の記事を参考にして頂きまして光栄です。

また、佐藤さんからもアドバイスを頂戴できましたことを嬉しく思っております、ありがとうございました。

デラさんは三井ホームさんで建設中ということでよろしいのでしょうか。お住まいの地域によっても、施行方法などに違いがあるかもしれませんね。

当院ではデラクリートの上にMGクレイという外壁材を塗っていますので、現在デラクリートを実際に見ることはできませんので、デラクリートのクラックに関しては確かめようがありません。しかし、MGクレイは高品質の外壁材なのでクラックはありませんし壁の汚れも殆どありません。経年変化はありますが、竣工時の状態を保っていると自負しております。

三井ホームさんは本当に信頼できるメーカーさんですし、引き渡し後のアフターフォローも申し分ありません。

デラさんも家づくりの過程を存分に楽しんで下さいね。ご不明な点がございましたら何なりとご質問下さいませ。
Posted by cranberry at 2010年10月19日 21:14
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